教育のビジョン ~こころも からだも たくましく~
幼児期は、人格の基礎を形成するとても大切な時期です。そして、その基礎が大きく豊かでしっかりしたものであればあるほど、未来の可能性が広がります。
その「可能性の芽」を大きく豊かなもの育てるために、ひとりひとりの子どもの心の動きと発達をしっかりと見極め、寄り添い、援助していきたい。
そして、仲間と一緒に泣き、笑い、楽しみ、支え合い、認め合い、人生を自ら切り開いていくたくましさ、困難に出会っても最後まであきらめないしなやかな心、人を思いやるやさしさ、周りの人たちに感謝の気持ちを持つ、そういう人になってもらいたい。
釜井台幼稚園の教師ひとりひとりが、そんな思いを胸に、目の前にいる笑顔の子どもたちの将来を見据えながら、日々の教育を行っています。
建学のコンセプト ~3つのキーワード~
釜井台幼稚園を創立した初代理事長は、小学校・中学校の体育教師として、子どもたちの育ちに情熱を持って深く関わってきた人でした。
戦前からずっと続いた教員生活の終わりを迎える頃、「もっと子どもたちの育ちに関わりたい」、「41年間の教員経験を生かしたい」と、強い思いを持つようになりました。
やがてその思いは「自分は一生子どもたちと一緒にいたい」と、残りの人生を幼児教育に捧げる決意に変わっていきました。
開園当初、釜井台幼稚園は、鬱蒼と木々が茂る森に囲まれた一軒屋で、庭にはうさぎやキジが遊びに来るような“森の幼稚園”でした。
そのうち道路や宅地が整備され、住宅が建ち始め、開園当初からすると周囲の環境は劇的に変わりました。しかし、創立以来変わらず守り育ててきた思いがあります。それは初代理事長の経験と思いから生まれた3つのキーワードです。
この3つのキーワードを柱とした教育のもと、初代理事長の思いを受け継ぐ教職員と保護者の皆様の多大なご協力によって育てられた子どもたちは、平成22年度には5,100人を超え、その後も毎年大勢の卒園児を送り出しています。
教育の特色
釜井台幼稚園の3つのキーワードをもとに、当園の教育の特色をご説明します。

私たちは、子どもたちの将来を考えたとき、まず何よりも「体が丈夫で健康であって欲しい」と願います。丈夫な体を持っていれば、将来の選択肢がさらに広がり、豊かで幸せな人生を送る基礎となるでしょう。そのためには、幼児期から積極的に体を動かし、運動することの楽しさを味わうことが大切です。
1.幼児体育専門講師による「体育指導」
初代理事長は体育教師でしたので、子どもたちの体力を育てることを第一に考えていました。そのため開園当初から幼児体育専門の講師と連携しながら、子どもの発達に配慮しながらその運動能力を伸ばすだけでなく、体を動かす楽しさ・喜びを味わえるようなプログラムを考え指導してきました。また、体育指導を通して、協調性や最後まであきらめずにやり抜く心も育てています。
2.遊びの中の環境設定
日常生活の中でも、遊びながら体を動かす楽しさを自然に味わえるような教師の働きかけや環境設定をしています。例えば、おにごっこ、なわとび、かけっこ、鉄棒、ボールあそび、乗り物、etc…。
運動会では、友だちと協力して頑張る大切さ、なわとび大会では、自分で目標を設定し、それに向かって一生懸命努力する大切さを経験します。
園庭遊具にもこだわりがあり、特に高さ2m40cmと3mの二つのクライミングウォールは子どもたちのチャレンジする意思とあきらめない意欲を育てます。誰でも遊べる遊具だけでなく、ちょっと難易度が高い遊具を設置することで、子どもの危険回避能力と身体をバランス良く発達させる力を育てるねらいも持っています。また、広い砂場には、水を使って一人でも大勢でも大胆に遊び込めるような遊具を設置しています。それ以外にもログハウスのある第2園庭・みどりの広場や園の畑など豊かな環境を用意しています。
※当園の遊具は、日本より厳しい欧米の安全設置基準を参考にしております。デンマーク・コンパン社の大型遊具の下には、科学的検証に基づき、厚さ15cm以上のゴムチップ製緩衝材を設置しています。

1.人と関わる力を育てる
幼稚園は、人生で初めて出会う“社会”“子どもたちの世界”です。その中で芽生える様々な感情、泣いたり、笑ったり、怒ったり、うれしくなったり…。自分の思いを相手に伝えるため、子どもは言葉や体を使って表現する方法や社会性を、友だちや教師との関わりの中で学んでいます。そして、お互いの思いを受け止め、共感する、反発する、折り合いをつけることができるようになり、コミュニケーション能力を高めながら、仲間との絆を深めていきます。私たちは、子どもの思いを読み取りながら、「時には寄り添いながら一緒に考え、時には離れて見守る保育」を心がけています。
2.認められる経験
「あなたがいてくれて本当にうれしい」、「生まれてくれてありがとう」、「あなたが大好きだよ」。そんな思いを言葉でお子様に伝えていますか。赤ちゃんの頃からそう言われて育った子どもは、「自分はかけがえのない大切な存在」[愛されている存在]なんだと実感するようになります。逆に否定的な言葉を繰り返しかけられると「自分はダメな存在なんだ」「必要とされていないんだ」と自分を否定的にとらえ、自分だけでなく他者を信じることができなくなります。
自分という存在にかけがえのない価値があると自覚することを[自己肯定感]と言います。そして自分が大切にされていると感じる子どもは、「自信」「困難を乗り越える力」「自分を励ます力」「思いやり」「やさしさ」などを持てるようになります。
私たちは、子どもが本来持っている力を引き出し、長所や短所を含めてありのままの自分を好きになれるよう「認めて伸ばす保育」を心がけています。
3.センス・オブ・ワンダー
私たち大人が子どもの感性や意欲を育てる時、どのように関わったら良いのでしょうか。ある時出会った本に、幼児期の子どもの内面を育てるためのヒントが、わかりやすい美しい言葉で書いてあったので紹介します。本の名前は、「センス・オブ・ワンダー」、著者はアメリカの海洋生物学者、レイチェル・カーソンさんです。著者が幼い子どもと一緒に自然を探索した体験をもとに書かれたエッセイで、子どもたちと自然の中に出かけ、神秘さや不思議さに目をみはる感性を育み、分かち合うことの大切さを伝えています。
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。(中略)もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー…神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。(中略)
妖精の力にたよらないで、生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、私たちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。(中略)
「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。
消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。
(※本文より一部抜粋)
【レイチェル・カーソン 著、上遠恵子 訳 「センス・オブ・ワンダー」新潮社】
私たちは、子どもの興味・関心を広げ、感性を刺激し、「意欲を育てる保育」を心がけています。

1.考えるってたのしい 難しいっておもしろい
当園では「ちえのみあそび」という教材を使って脳を刺激し、自ら考える力を育てます。幼児の身近にある「モノ・形・色・数・言葉・動作・人間関係」を、絵カードやおはじきなどを使って、「発想力・想像力・表現力・数や色の規則性など」様々な概念の気づきを育てる遊びです。子どもたちは失敗したり、つまずいたり、試行錯誤を繰り返しながら、そのプロセスを楽しみ取り組みます。誰にでも得手不得手があるので、「できた、できない」「早い、遅い」などの結果ではなく、子どもが自分で考える過程を大切にしています。また、教師は「ちえのみあそび」を通じてひとりひとりの子どもの得意な領域・不得意な領域を把握し、保育の中で意識して伸ばす手がかりとします。
2.自分なりに行動する
子どもは「ああ、楽しかった!」という経験をした時、「またやりたい!もっとやりたい!」という意欲につながります。楽しさは子どもが自ら考え、チャレンジする原動力になるのです。
私たちは、日々の生活の中の様々な場面はもちろん、様々な行事や遊びを通して、『自分で考え行動する力』が身に付く様、きっかけづくりや環境の設定などを通して常に働きかけ、子どもが自分で気づき、どうしたら良いか考え、行動するよう促しています。そして成功した時は一緒に喜び、その頑張りを認め、失敗したときは、一緒に悔しがり、その努力を認めて、次への意欲が持てるよう精一杯応援します。
私たち釜井台幼稚園の教職員は、全員で多面的に子どもたちを見守り、相互に情報交換を密にしながら関わる“チームティーチング”を実践しています。
子どもたちの最善の利益を常に第一に考え、子どもたちの未来が輝き、日々小さな幸せを感じられるように、ご家庭と教職員が協力して、共に育ち会える“共育”を目指しています。共に育ち会いましょう!